異形博物館【オカルト・ホラー】

世界の森羅万象のオカルトを届けます

【アメミット】罪人の心臓を喰らう冥界の断罪者

異形博物館【オカルト・ホラー】250人目標 - YouTubef:id:Ryuichi23:20230324100844j:image

かの「死者の書』にも登場する、三状が合わさった姿の怪物。

ライオンの身体と前脚、ワニの頭、カバの後脚を持ち、オシリスの法廷で死者の審判に立ち会う。

法廷では死者の心臓を天秤に載せ、彼の生前の行動が正しきものだったかを裁くのだが、有罪判決が下った者は天国へ行けないとされた。そして、有罪となった瞬間に彼の心臓はアメミットに喰われてしまうのだ。

魂は不滅であり、太陽のごとく再生するとされているエジプトでは、心臓を失うことは完全なる死を意味する。

ゆえに、アメミットは罪人にとって恐怖の存在であつた。水性で最も恐ろしい三獸から成る姿は、人間の長柄を集める断罪者にふさわしい。

ヒラヤマに生息するイエティ

f:id:Ryuichi23:20220127170548j:image

【ご挨拶】

この度は異形博物館へお越しくださいまして誠にありがとうございます。

当博物館は、この世のありとあらゆる不可思議なことを、フロア別で展示しております。

どうぞごゆっくりご堪能下さいませ。

 

108F 未確認生物園でございます。

 

 

標高4000m「残された謎の足跡」

 

イエティとは、ヒマラヤ山脈に生息していると言われている未確認静物。全身を真っ白い毛で覆われており、体長は1.5m〜2.0mで直立歩行ををしている。

絶滅した巨大類人猿の生き残りとも言われていて、古くから現地での目撃情報が耐えない。

これまでに数多くの探検隊がその謎を解明するべく、捕獲、カメラでの撮影を試みてきたが、これまでに1度としてその姿を確認できたことはなかった。

たが2008年10月21日、なんと日本人登山家たちがイエティの足跡と思われるものを発見したのである。

彼らは1994年からイエティの捜索をしており、今回の発見は3回目となる。

発見場所はネパール・ヒマラヤ中西部のミャクディ・マータから連なる尾根だった。【標高4400〜4700m)

そこで彼らは合計3つの不可解な足跡を発見した。大きさは約20cm。1年中雪で覆われ、人が住めないこの山奥で足跡はくっきり残っていたという。

 


足跡の正体は…

今回の足跡が発見された一方で、それを疑う説もある。イエティはヒグマ、カモシカユキヒョウではないかと。

しかし足跡が発見された地は標高4000m。そこには動物は上がってはこれない。

「足跡はイエティのものと確信している!」

発見した登山家のチームは自信に満ちた意見を主張している。

万聖節のいけにえ

f:id:Ryuichi23:20211006173257j:image

【ご挨拶】

この度は異形博物館へお越しくださいまして誠にありがとうございます。

当博物館は、この世のありとあらゆる不可思議なことを、フロア別で展示しております。

どうぞごゆっくりご堪能下さいませ。

 

3F 世界の奇妙な書籍庫でございます。

 

いじめられやすい子はどこの国、いつの時代にもいる。

理由は様々だろうが、共通しているのは、人並み以上に頭の良い貧しい子、あるいは才気に欠けた美しすぎる少女。よるベない美少女が嫉まれ、いじめられる例は典型はシンデレラ物語だろう。

ところでこれは1946年に起きた、内気すぎる少女の話。

リンダ・ベイカーは当時12歳だった。

栗色の巻き毛は上品な卵型の顔をふちどり、長いまつげは花びらのように灰色の目を飾っていた。かわいい、あどけないというより、リンダの表情は成熟した女のようになまめかしく、彼女を見た大人たちは、その美貌にうたれ、不思議な畏怖を感じた。

リンダはサセックスの富裕な地主の娘で、母親のアーシュラが数年前に旅役者と駆け落ちして以来ひどく気難しくなった父親は、思春期をむかえた娘を厳格な寄宿学校へ入学させた。

ロンドンでも有名な名門女子校の生徒たちは、いずれも上流階級の出身で、上品な物腰と、申し分ない淑やかな言葉で話した。しかし、それはうわべだけのことだ。

リンダは、そうした少女たちの中でも際だって優雅だった。もともと無口でふし目がちの表情が、陰気で高貴に映るのは、周囲の娘たちが、仲間うちではまだ子ども子どもして、感情をむき出しに高声にしゃべり散らすのとひどく対照的だった。

が、都会っ子の娘たちには、田舎者のリンダの美しさはしゃくに障る。

入学して間もなく、リンダは寄宿舎の一隅で、数人の少女に取り囲まれた。

「あんた、私生児なの」

鼻にそばかすの浮いたマーゴットは貴族の娘だ。ディートリッヒの真似をして、腕を組み、煙草をくわえ、はすっぱな、下町言葉で話す。

リンダは蒼ざめ、首を横にふった。

「あんた、口きけないの」と、シャーロット。大きな宝石商のひとり娘で、枕の中に様々な装備品を隠している。

アンはリンダの牛乳のように滑らかに頬をつねった。もちろん、爪痕などつかないように、ひねりをきかせて。

「やめて」

リンダは逃げようとしてもがいた。娘たちはいっせいに意地悪い笑みを浮かべ、顔を見合わせ、

「悪魔祓いしよう」

それは、当時学校内でやっていた遊びだった。

寄宿舎の中を、リンダは逃げまどった。リンダは悪霊のついた者として、エクソシストたちがそれを追いかけ、追い詰め、捕えるや、悪魔祓いと称して、さまざまのことをする。叩いたり、つねったりなどは当たり前で、ひどい時は数人がかりで押さえつけ「聖水のお浄めよ」と、バケツの水を浴びせたり、汚れたモップで尻を叩いたりする。

教師たちに訴えたりすると、翌日はもっとすさまじい意地悪で仕返しされるのが恐ろしく、リンダは毎日のようにこの苦行をなめさせられていた。誰ひとり、リンダを助けようとしない。上級生は見て見ぬふりをし、級友たちはサディスティックな歓びから、交代で狩人になりたがった。

たとえ気の毒に思っていても、同情のそぶりをしたとたん、自分が悪霊にさせられる。そのうえ、やはり美しすぎる同性というには気に食わないものだし、男性の教師は、リンダの魅力につい優し気な振る舞いをしてしまうので、結局、哀れなリンダは孤立するばかりだったのだ。

金持で、甘やかされた子どもほど無慈悲なものはない。

リンダへの意地悪は日を追ってエスカレートし、悪魔祓い遊び以外でも、陰気な仕打ちが日常茶飯事になってゆく。

入学後、わずか数か月で遊びどころではなく、リンダがそばを通り過ぎるや、娘たちは真剣に十字を切り、お祈りをしたり、うとましげに顔をそむけたりする。あるいは、リンダの食事当番の際彼女が盛ったスープは誰ひとり食べない、話しかけもしない。目も合わさない。

リンダは蒼ざめてやつれ、家へ帰りたいと訴えたが、再婚話の持ちあがている父は、娘の「わがまま」をにべもなくはねつけた。

寄宿舎のリンダの寝台の周囲には、びっしりと聖書が円型に並べられていた。それはリンダと同室にならざるを得ない娘たちの「悪魔封じ」だった。

リンダには、それを蹴散らす気力もなく、涙も涸れはてた思い出床につくのだった。

万聖節の前夜、リンダがベッドに倒れるように横たわると、異様な感触が背筋を襲った。首を折られ、翼をもがれた鳩が放り込まれていた。鳩はまだ暖かった。

あくる朝、庭掃除の男が礼拝堂の窓から飛び降りたリンダの死体を発見した。リンダの美しい顔は無残に砕かれ、鼻から脳がはみ出していた。

ドラキュラのモデルになった公爵 ブラド・ツェペシェ公爵

f:id:Ryuichi23:20211005215725j:image
【ご挨拶】

この度は異形博物館へお越しくださいまして誠にありがとうございます。

当博物館は、この世のありとあらゆる不可思議なことを、フロア別で展示しております。

どうぞごゆっくりご堪能下さいませ。

 

6F 偉人たちの黒歴史発表会でございます

 

【炙り焼き、串刺し・・・容赦のない公爵の処刑方法】

真夜中に現れ、美女の生き血を吸う吸血鬼ドラキュラ。このドラキュラには実はモデルが存在していたことをご存じでしょうか?

その名はブラド・ツェペシェ、15世紀に3度もワラキア公国の王を務め、人々には「串刺し公」として恐れられていました。(ルーマニアを守った英雄ともいわれています)

当時彼は、2万人ものトルコ人を容赦のない残忍な方法で処刑したと言われています。

・生きたまま内臓が見えるまで皮や肉を剥がされる

・燃え上がる炭火の上で炙り焼き

・垂直に立てられた杭に肛門から入れられ、その杭を口から出るように貫通させる

・自身が招いた貴族たちを部下たちが串刺しの刑に処した。理由は公爵を小馬鹿にするように笑ったこと

・反抗的なゲルマン系民族のザクセン人全員を串刺しの刑に処し、その光景をワインと肉を平らげながら楽しんでいた

当時串刺しの刑は農民や身分の低い者に対してしか行われていたが、公爵は貴族に対しても容赦なくじっこうしました。

 


【残虐な行為を繰り返した公爵の無残な末路】

1476年、当時トルコ兵と戦っていた公爵は敵の目を欺くためにトルコ兵に化けていました。ですがその行為があだとなりました。公爵の部下は公爵が敵に化けているとは思わず、公爵をズタズタに突き刺し殺してしまいました。

 


【ドラキュラの名前の由来】

ドラキュラの名前の由来はドラゴンの息子という意味があります。公爵の父、ドラクル(悪魔公)と呼ばれていたことが由来しています。  

ドラゴン

f:id:Ryuichi23:20211003143905j:image

【ご挨拶】

この度は異形博物館へお越しくださいまして誠にありがとうございます。

当博物館は、この世のありとあらゆる不可思議なことを、フロア別で展示しております。

どうぞごゆっくりご堪能下さいませ。

 

別エリア 幻想園ドラゴンエリアでございます

 

 

 

冒険者の前に立ちふさがる最強の敵

ドラゴン

 


剣を通さないほどの強靭な巨体

トカゲ、または蛇に似た体型を持ち、そのほとんどが巨体で翼を持つ種が多く、体は刃を通さない堅い表皮や鱗で覆われていて、その体色もバリエーションが非常に多いといわれています。

食性は多彩で肉食種は家畜や人間を襲ます。生息地は火山、沼地や洞窟など人の立ち入らない僻地で、時には獲物を求めて人里に現れる場合もあると言われています。またドラゴンの名の語源は「監視者」「見張り番」という意味もあり、財宝の番人としての役割もあります。特に洞窟に棲むドラゴンは、その奥に眠る宝を求める者にとって、避けては通れぬ強敵です。

 


最大にして最凶の武器=ブレス

ドラゴンは城壁をも一撃で粉砕するほどのパワーの持ち主ですが、それを上回る威力を持つのが口から吐く、ブレス、つまり吐息です。炎を吐くドラゴンの場合、火焔そのものを吐いているのではなく、高熱の吐息で空気中の酸素を燃焼させているわけです。そ種類はドラゴンにより異なり、生育・居住環境に影響されます。火山地帯なら炎のブレス、氷雪地帯なら氷のブレス沼地なら毒のブレスなど。また体色も環境の影響を受け、炎なら赤、氷なら青などに分けられます。

 


苦戦必至だが富と名声を得られる

ドラゴン退治には、ドラゴンスレイヤーというドラゴン用武器やドラゴンの表皮や鱗を使ったブレス防御用防具が必須。ブレスの威力を弱める魔法を使えばベスト。

それでも苦戦必須、だけど見返りは大きい。ドラゴンが守る秘宝はもちろん。ドラゴンの部位は高く売れるらしい。

血には肉体強化にもなり、ドラゴンスレイヤーという最高の名誉称号が称えられます。

湖の兄弟

f:id:Ryuichi23:20211001171038j:image

【ご挨拶】

この度は異形博物館へお越しくださいまして誠にありがとうございます。

当博物館は、この世のありとあらゆる不可思議なことを、フロア別で展示しております。

どうぞごゆっくりご堪能下さいませ。

 

3階 世界の奇妙な書籍庫エリアでございます。

 

【湖の兄弟】

1872年、北ドイツで。

両親を亡くした11歳のアルベルトと7歳のマリアンナの兄弟は、遠縁の祖母サスキアに引き取られた。

シュバルツバルトの森影にひっそりとたたずむ湖のそばの古い館で、伯母の領地の管理をしながら孤独に暮らしていた。6月の早朝、ウィーンから田舎の駅へ到着した兄妹は心細く囁きあった。

「伯母さまってどんな人かしら」

「意地悪婆さんかもしれないよ」

アルベルトが妹の頬をつつくと、マリアンナは半べそをかいた。「平気さ、僕が守ってやるよ」

「離れちゃ、嫌よ」

「ずっと、一緒にいるよ」

やがて、古風な二頭立ての馬車が付き、中から背の高い、灰色がかった金髪の優雅な女性が現、微笑みながら兄弟に手を差し伸べた。

「はじめまして、私がサスキアよ」サスキアは孤児の二人に優しかった。森の生活は遊び盛りの二人も気に入り、館には久しぶりに明るい笑い声が響きはじめた。

伯母サスキアは三十代半ばを過ぎていたが、独身だった。品のある美しい伯母の孤独を不思議がるアルベルトに家政婦がこっそりと教えてくれた。「奥様はお若い頃、ろくでなしに騙されなすったのさ。婚約したその晩にベルリンからヒステリーなあばずれが押しかけてさ。いっさいがっさいぶちまけて、男の首根っこをつかんで帰っただよ。そのあと奥様は半年ばかり寝付いたっけ」夏が過ぎ、秋が森を黄金色に染め上げる頃、アルベルトとマリアンナの家庭教師がやってきた。大学を卒業したばかりの青年で、男ぶりは悪くなかった。

ヨハネスというこの教師はたいして教育熱心でもなく、授業は退屈だった。ヨハネスが熱心だったのはサスキアに対してだった。何かと口実をもうけもうけてまつわりつき、遠回しに、やがては大胆に恋情をほのめかすようになった。

初めは失恋の古傷をえぐられるような気がしていたサスキアも、ヨハネスの若々しい情熱にしだいに揺さぶられてゆくようだった。「伯母ちゃまはね。毎日何度も鏡をのぞいているわ」

ヨハネスもだよ。タイを直したり、髭を引っ張ったり。変わり映えがしやしないのにさ」

「あの二人は結婚するの」

「さぁ。ヨハネスはしたがってるけど。ぼく、ヨハネス嫌いさ、伯母さまがいい顔しないときはやたら僕らを打ちたがるんだ。あいつインチキだぜ」雪が降り積もるころ、ヨハネスはサスキアな結婚を申し込んだ。

御冗談を。私、十歳以上もあなたの年上なんですよ」

「年齢など!僕は心からあなたをお慕いしているんですよ。あなたはもっと幸せになる権利がある。こんな田舎に、世捨て人の暮らしなんかじゃなく、もっと華やかに、賑やかな」

「私は幸せですわ。それに子どもたちも」

「子どもは寄宿学校に入れるべきだ。厳格な躾が必要です。あなたはすっかり子どもを甘やかしてしまった。僕の言葉など聞きもしないんです。多分僕を嫉妬してるんでしょう」

ドアに耳を押し当て、兄と妹はふたりのやりとりを残らず聞いた。寄宿学校だって?アルベルトの頬は怒りで紅く染まった。屋敷中の誰しもが、サスキアの動揺に気づいていた。時間の問題さね、と家政婦は不機嫌そうにつぶやいた。そんなことさせるものか、とアルベルトはこころの中で言った。

雪の後、湖に氷が張り詰めた。アルベルトとマリアンナは毎日スケート遊びをし、ある日、ヨハネスを誘った。「もうじき君たちとはお別れさ。サスキアは僕と結婚してベルリンへ行く。君たちはそれぞれ寄宿舎に入るんだ」アルベルトと並んでヨハネスは意地悪そうに笑ったその時だった。湖面を急カーブで横切ったアルベルトは力任せに男の背中を突き飛ばした。バランスを失ったヨハネスは湖面を転がり、河口近くでようやく止まった。そこは氷が薄く、ヨハネスの体の重みで嫌な音をたててひび割れた。「助けてくれ!」

ヨハネスは泣き叫んだ。青黒い氷がぱっくりと口を開け、脚から膝、腰から胸へと男を吞み込んでいき、爪をたててすがりつく手だけが湖面に踊り、やがてそれも沈んだ。

「僕らはどこにも行かないよ」

アルベルトはゆっくり背中を向けるとマリアンナの手を握って館へ戻っていった。